「俺にとって菜乃花は俺の一部で。

俺の全てなんだ。

だから菜乃花が自分のことを大切にするってのは俺を大切にするのと同じことだと思わないか?」

「かなちゃん……」

「菜乃花」

「なあに?」

ああ。

そんな気の抜けた喋り方をして。

俺がいま兄貴に嫉妬してるなんてこれっぽっちも思ってないんだな。