ああ。

馬鹿だな。

そんなのー

「いいに決まってる。

俺は菜乃花をずっと見てきたって。

好きだって。愛してるって。

そう言ったじゃないか」

「うん」

体が少し傾く。

その重みが愛おしくてたまらない。

「俺だって菜乃花に頼ってる。

菜乃花がいるから前に進みたいと思える。

追いつきたくて直向きに取り組める。

食らいついてやるって思える。

物事に向き合える。行動に移せる。

俺だって。もうずっと前から菜乃花に依存してる。

菜乃花がいなきゃ俺は前に進めない」