左手に繋がっているもう一つの手を伝って隣を歩くその人の顔を盗み見る。

その顔にはうっすらと笑みが広がっていて、俺にはそれだけで十分だった。

それに菜乃花が何を考えてるのか。

何を思っているのか。

分からないのなんかいまに始まったことじゃない。