前に進もうと上げていた視線を下ろす。

途端、全身に電流が流れ込む。

「どう、して……」

「よう」

「かなちゃん?……なんでっ」

目の前にいるのは間違いなくかなちゃんだった。

キラキラと輝く瞳で真っ直ぐに私を捉えて。

当たり前のように目の前に立って。

「よう」

なんて、何事もなかったかのように片手を挙げている。