都会的な大人な店で唯一知っている人だからか。

ここでしか会うことがないからか。

不思議とそう思った。

「そうなんです。

俺の絵が好きだと言ってくれた人に届けたいと思って」

「私もその気持ち分かります。

絵のことは詳しくありませんがとても素敵な絵だと思いますよ」

「ありがとうございます。

でもやっぱりまだ渡せるようなものじゃないですね」