まだ少し不恰好だけどでもだいぶまともに描けてきた。

少なくともいままで描いた中では一番の出来なんじゃないかと思う。

「お上手ですね」

コーヒーを手に店主がクロッキーを覗き込んでいた。

「とてもまだあげられるようなものじゃないですけど」

「どなたかに贈られるんですか?」

しまった。

俺は何を言ってるんだ。

でもなんだかこの人には話しても大丈夫だと思った。