だから会いに行くならちゃんと完成させて、その絵を持って会いに行こうと決めた。

ベンチに背を預けて首を反らす。

頭の重みで背骨が伸びて気持ちよかった。

でもすぐにベンチの角に触れている部分だけが痛くなり体を起こす。

目を開けると灰色が混ざった大きな雲が浮かんでいた。

小さい頃は雲はふわふわしていて乗れるもんだと本気で思ってた。

いつかそこに行って大の字になって昼寝したいとか話してた気もする。

でもいま目の前に浮かんでるそれはふわふわとは程遠くて。

浮かんでいるのが不思議なくらい重そうに見えた。