そしたら会いに行こうと。

出来上がった絵をあの人に届けようと。

そう決めたから。

それが菜乃花を一人残して、駅までの道を歩きながら、電車に揺られながら、布団に入ってからもずっと考えてだした答えだった。

俺にはなんの力もない。

だけど綺麗だと、欲しいと言ってくれた絵がある。

菜乃花は

『この絵がいい』

と、言ってくれたけど。

やっぱりあげるならちゃんと完成させたものをあげたい。