「そうですね。
少し暖かくなってきたし近くの公園を散歩するのも気持ち良さそうですよね」
良かった。
普通に話せてる。
気持ち悪くない。
「菜乃花らしいな。
じゃあ少し遠出して菜の花でも見に行こうか。
きっと菜乃花みたいな可愛い花がたくさん咲いてるよ」
「でましたね、桧山節」
「なんだよそれ。茶化すならやっぱ家で過ごそうか?」
「嘘です!嬉しいです。行きましょう。
可愛い菜の花を見に」
慌てて取り繕う私に桧山さんは目を優しく細めて甘く囁く。
「俺は花なんかより可愛い人を毎日見てるからもう充分だけど。
でもその可愛くて愛しい人がそこまで言うんだ。
これは連れてってあげなきゃだよな」