運ばれてきたコーヒーを飲みながらページを捲る。 途端に胸が苦しくなって、涙が溢れそうになった。 ページの間に挟まれた手作りのしおり。 五年前、恥ずかしそうにそれを渡してくれた君はまだまだ子供だった。 なのにー なのに、それがもう面影もないくらい君は大きく成長してたんだね。 私は何一つ成長できていないのに。 君はどんどん先へと進んでいたんだね。 私はそのしおりを本の一番後ろに挟んでまたページを捲った。