行き交う人みんながみんな充実してますって顔をしているから、それを覗いたことに少しだけ後悔が押し寄せた。
『お前は何をやってるんだ』
『ここに居て意味があるのか』
『どうして私たちに混ざってここを歩いているんだ』
そう言われてる気がして落ち着かなかった。
だけどねー
胸の中で答える。
『私は前を向いて歩いてるんだよ』
『ここにはちゃんと。ちゃんと意味があって居るんだよ』
『私だってあなた達と一緒なんだよ』
ちゃんと答えるとその声たちは囁きをやめ。
世界が私を受け入れてくれたように感じられた。
だって、少しだけ街のざわつきが遠くに感じたのだ。
みんなと何一つ変わらないって。
そう、返事をしてくれたのが聞こえた気がしたんだ。