「本当に何もないだけだよ?」

そう言う彼女の顔は何一つ大丈夫じゃないとそう言っているのに、耳に届いた言葉はそうじゃなかった。

どうしてこんなにも好きになってしまったんだろう。

見続けてきてしまったんだろう。

子供だから話してくれないんじゃない。

頼ってくれないんじゃない。

そんなこと思いたくなかった。

知りたくなかった。

だけどそういうことなんだ。

俺だから。

……話してくれないんだ。