俺がここで踏ん張らないと。

溺れてるのは菜乃花なんだから。

「子供だから?

俺がガキだからそうやって強がるの?」

できる限り落ち着いて話したつもりの声は、耳に届くと僅かに震えていた。

「違う!」

菜乃花の目から、本当にそう思ってくれてるのが伝わってきた。

嬉しかった。

嬉しかったのに。