もしかしたらいままでだってそうだったのかもしれない。

勝手な劣等感ばかりで見えていなかっただけで。

いつだって本当は。

「それにいま更聞いたって俺は要みたいにはなれないからな」

「どういうこと?」

「そういうこと。じゃ、行ってきます」

眉間にしわを寄せてる俺を気にすることなく、手をヒラヒラとさせ兄貴は玄関に消えていった。