「あのさ」 「いいよ。なんとなく分かるから」 俺の言葉を遮るように兄貴が言う。 「毎日会いに行ってるのは菜乃花に何かあったからだろ」 「うん」 「要なら大丈夫」 「え?」 「大丈夫だよ」 兄貴の声が優しく聞こえた。