「何してんの?」 「バイト探し」 「まだ早いだろ。 学校に慣れて十六になって、それから探せばいい」 カチャカチャと食器の触れ合う音がする。 「いまから目星だけでもつけときたいから」 プシュッと缶を開ける音がする。 「要さ」 缶を置いて兄貴が口を開く。 「何を焦ってんの?」