駅に近づくにつれ歩きづらくなる遊歩道を進みながら、なのねえの描いた絵を思い出す。

なのねえにはこのうんざりするような混雑なんか見えていないのかもしれない。

それよりも空を飛ぶ鳥や道端の草の方がはっきりと目に映ってるのかもしれない。

気にしないと視界に入らないようなそういう小さなものに目を向けているのかもしれない。

そうやって少しでもなのねえの世界を想像できることに笑いが漏れる。

俺の声に反応してなのねえの体がピクリと動いた。