でも目だけは違った。

あの日見た虚ろな目が、いまは黒々と輝いていて宝石のようだった。

綺麗だと思った。

黒々と潤む瞳も。

耳にかけられた髪も。

うっすらと開いている唇も。

細くなった曲線も。

瞬きをするその動きですら。

なのねえを形作る全てのものがとても綺麗だった。

俺はこっそりとページをめくり鉛筆を動かした。