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俺はなのねえにも絵を描くようにすすめてみた。

見てみたかったんだ。

なのねえには世界はどんなふうに映ってるのか。

どんなふうに見えているのか。

紙と鉛筆を渡すと渋々と言う感じでのろのろと目の前の風景を描き写す。

俺は手を止めてなのねえを盗み見た。

強い風が吹いたらそのまま消えてしまうんじゃないかと思った。

それくらい、なのねえの体は細く弱々しくなっていた。