とにかくなんでも。
知りたがった。
そしてそれに際限はなく、私から友達との付き合いの時間すらも奪っていった。
それでも桧山さんと距離を置くという選択肢は私にはなかった。
桧山さんは私の全てで、彼を失うなんてことは考えらえなかった。
だから私たちはそうやって。
お互いの気持ちなんか無視して。
微妙な距離を感じながら関係を続けていった。
その小さかった距離を大きく開かせてしまったのは。
私が桧山さんを失うのを恐れて逃げていたからか。
桧山さんの要求が尽きることがなかったからか。
たぶんその両方共が原因だったのだろう。
その距離は少しずつ。
でも確実に広がっていった。