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「人には向き不向きがあるからな」

「だから言ったのに。

私には!本当に!絵心がないの!」

駅までの道を歩きながらかなちゃんはまだにやにやと笑っている。

「あーあ。やっぱり見せるんじゃなかったなぁ」

「ごめん。もう笑わないから。な?」

「別に笑っていいよ?あの画力だし」

「ふっ。ほら、もぉ。拗ねるなって」

「それでも!もう描かない」

「えー」