足りなくなっていた酸素を必死に取り込むことに追いつけず肺が酷く痛む。

心臓が全身に酸素を巡らせるためにバクバクと鼓動する。

痛い。

苦しい。

それでも、動いている心臓に。

膨らんでは縮む肺に。

体を巡る血液の温かさに。

生きているんだと実感する。

いつの間にか周りに響き渡っていた声が聞こえなくなっていた。