ーーー ーチン 静かな部屋に電子レンジの高い機械音が響く。 一度落ち着けた腰を上げ温められたお弁当を取り出しもう一度ソファーに腰を落ち着ける。 プラスチックの蓋を開けるとゆらゆらと立ちのぼる湯気とともに唐揚げの匂いが広がった。 何を食べたかったのか。 何を食べればいいのか。 それすらも分からずチェーンのお弁当屋さんで買った安い唐揚げ弁当。 以前までの私が好きだったもの。