「それ初めて描いたやつだからなぁ。下手だろ? せっかくなら何回か練習して。 もう少しまともなのやるよ」 「ううん。この絵がいいの。 それに下手だなんてとんでもない! とっても素敵よ?私ね。 かなちゃんの描く絵、大好きなんだ」 少しだけ幼さの残るその顔が微かに赤く染まる。 小さく息を吐いてらかなちゃんはその絵をクロッキーから切り離しそっと差しだしてくれた。