あの時が私の人生のピークだったのかもしれない。 だとしたらこの先はー ーザリザリ 鉛筆がデッサン用紙に擦れる音が耳に届く。 その音が耳で反響して。 なんだかとても心地よくて。 広がる不安に押しつぶされないよう。 その音に意識を集中させてみた。 右側に微かにかなちゃんの体温を感じる。 遠くの方から小鳥が囀る声が小さく届いた。