「あのさ」

俺の言葉を満開の笑顔で遮る。

「いいの」

「え?」

「宮瀬には見えてるものが、見てる人がいるんでしょう?

私があなたのことを見てたみたいにさ」

結局、健吾にだって話せてないのに。

女の勘ってすごいな、なんて感心してしまう。

「私と一緒。片想いなんでしょ」

なんでそこまで分かるんだ?

こいつはエスパーか?

「頑張ってね」

「ありがとう」

「辛くなったらいつでも頼ってくれていいから。

あ、後。私に次の人が現れない限りは彼氏のポジションも空けとくし」

「そりゃどーも」

周りは泣いてるやつの方が多いのに。

中学最後の学校で、何故か俺は苦手なはずの女子と笑い合った。