桧山さんのそれは羨ましいと思わせることすらさせないくらい何もかもが完璧だった。 少し長めのサラサラとした髪にそっと手を伸ばす。 気持ちいい。 ひんやりとした手触りのいい髪の感触に桧山さんの存在を感じた。 だって、夢みたいだったから。 こんな完璧な人がいま、私の横で無防備に眠っている。 私はながい夢でもみてるんじゃないかと。 幻を見ているんじゃないかと。 ちょっと本気で思った。