えれなが太陽だとしたら、わたしはなんだろうと考えていた時期があった。

考えれば考えるほど、全然たとえが思い浮かばなくて、自分がどれほど影の薄い存在なのかということを思い知らされた。

顔が可愛いわけでも、成績がずば抜けていいわけでもなく、すべてが普通。自分の意見を言うのは苦手だし、注目されるとどうしていいかわからなくなる。

そんなわたしでも、幼なじみだというだけで、えれなは親友だと言ってくれて、いつも一番に笑いかけてくれるから、みんなもわたしを仲間に入れてくれてるんだと思う。

わたしがいつも一緒にいるのは、えれなが中心になっているチア部の子たちがいるグループだ。部活に全然関係ないわたしがあの中にいるのは、どう考えても不自然だろう。それに、チア部の子たちはえれなほどではないにせよ、みんな平均よりかわいくて目立つ。地味で大人しいわたしがこの華やかなグループにいられるのは、えれなの幼なじみだから。それだけだ。

だから、わたしは同じグループにいるとはいっても、いつも微笑んでいるだけ、相づちをうっているだけだ。だから、いま突然わたしが消えても誰も気づかないんじゃないかなって思ってしまう。

そして、わたしはある日気づいてしまった。

そうだ。わたしはえれなが照らしてくれるから、かすかな光を放つことができる星だ。空に何万と存在する、まだ発見されていないような小さな小さな名もない星。

卑屈になっているわけでも、自虐でもない。

それがわたしの現実なのだ。