他の金魚の二倍はあろうかという出目金の大きさに、少しひいてしまったけど、テキ屋のおじさんが普通の金魚と袋をふたつにわけていれてくれた。

「兄ちゃん、彼女にいいとこ見せたな」

おじちゃんはにやにやしながら、そう言って颯太くんに袋を渡す。

彼女、なんて言われても、颯太くんは別に否定もせずに、おじさんから袋を受け取ってる。
彼女じゃないですよ、なんて否定されたら、やっぱりちょっと傷つくだろうから、ちょっとだけほっとした。颯太くんが否定しないなら、わたしが否定しなきゃいけないところかもしれないけど……。