好きになったところで、報われないってわかってる。 だから気持ち抑えなきゃって思う。 これ以上、好きにならないようにしなきゃ。 体育祭も終わったし、応援団長と衣装係という関係もなくなる。そしたら、わたしが意識しなくても、ふたりの距離は離れていくだろう。 これが、潮時ってことなんだろう。 でも少しだけ、あと少しだけこうしていたい。 颯太くんのあたたかな優しさに包まれて、ふたりだけの静かな時間を。 どうかあと少しだけ。