ーーじゃあ、私だった、あの男子高校生は、誰?




私は一度パンクしそうになった頭を休ませようと、病室に戻ってテレビをつけた。



やっていたのは、高校サッカーの中継だった。



全国大会へ行くための県予選の決勝。



両チーム合わせて二十二名の選手が、
必死にボールを追いかけ、身体をぶつけあっていた。



私は、サッカーの詳しいルールを知っている。



病弱な私がやったことがあるわけじゃない。



夢の中で私は、いや、彼はサッカーをしていた。


悩みながらも彼女、すなわち私が教えてくれる物語に勇気付けられながら一緒に成長していた。



試合が途切れる合間には、観客席や放送席、両チームの監督が映されることがある。


……不意に見たことのある顔が私の目に入る。





その姿を視界にとらえたとき、心臓が大きく鳴った。



 ベンチの様子が映されたとき、負けているほうのチーム、その中に彼がいた。



あの、男子高校生。



夢の中の私だった彼と、まったく同じだった。



夢の中で私は、彼になっていたのか……





つまり私は、いずれ彼に会うということなの?