立樹くんは、恥ずかしそうに下を向いていた。
「……じゃあ、立樹くんがまた絵を描いてくれるの、楽しみにしていてもいいの?」
その言葉に彼は、顔を上げる。そして、真剣な目をして大きく頷いた。
「もちろん。約束するよ」
「ありがとう。それともうひとつ、いいかな」
「なに? なんでも言って」
「これからは、入院することになるの。
だからその、
できたらでいいんだけど、
一度でいいから……会いに来てほしいんだ」
彼はまた頷く。
今度は小さくゆっくりと。
とても優しい笑顔で。
「何度だって会いにいくよ」
「よかった……じゃあ、あれ、しない?」
彼は一瞬首を傾げたけど、すぐに「あ、あれか」と言って手を差し出した。
それで通じたことが嬉しくて、私もすっと手を差し出す。
「ゆびきりげんまん」
今この瞬間、鏡のように私たちは同じように穏やかな笑顔を浮かべているんだろう。
私の手元にある立樹くんの絵のように、この時間を止めて、
一生美しい思い出として心のアルバムにしまっておきたい。
そんな気持ちになった。
病気のことも、忘れてしまいそうだった。
こんなに温かい気持ちでゆびきりができた私は、
本当に、幸せだと思った。
「……じゃあ、立樹くんがまた絵を描いてくれるの、楽しみにしていてもいいの?」
その言葉に彼は、顔を上げる。そして、真剣な目をして大きく頷いた。
「もちろん。約束するよ」
「ありがとう。それともうひとつ、いいかな」
「なに? なんでも言って」
「これからは、入院することになるの。
だからその、
できたらでいいんだけど、
一度でいいから……会いに来てほしいんだ」
彼はまた頷く。
今度は小さくゆっくりと。
とても優しい笑顔で。
「何度だって会いにいくよ」
「よかった……じゃあ、あれ、しない?」
彼は一瞬首を傾げたけど、すぐに「あ、あれか」と言って手を差し出した。
それで通じたことが嬉しくて、私もすっと手を差し出す。
「ゆびきりげんまん」
今この瞬間、鏡のように私たちは同じように穏やかな笑顔を浮かべているんだろう。
私の手元にある立樹くんの絵のように、この時間を止めて、
一生美しい思い出として心のアルバムにしまっておきたい。
そんな気持ちになった。
病気のことも、忘れてしまいそうだった。
こんなに温かい気持ちでゆびきりができた私は、
本当に、幸せだと思った。