自分はどうなってもいい。



そう思って止めに入ろうと思った瞬間、彼が思いもよらないひとことを叫んだ。




「これは、僕らの宝物なんだっ!」




その言葉を聞いたとき、じん、と熱いものが込み上げ、私の視界は涙でいっぱいになった。


それと同時に、私先生が駆け込んできた。



「やめなさいっ!」



歪んだ視界で、彼は先生によって男子から引き剥がされていた。



手には、あのノートがしっかりと握られている。




それを最後に、私は前を見ることができなくなり、手で顔を抑えて泣き崩れた。