「やめろっ!」


私が発した言葉ではない。


でも、その言葉は、私の心そのものだった。


怒りに震え、でもどうすることもできずに入口で立ちすくんでいた私の背後から聞こえた、とても大きな声だった。


教室が、一瞬でしん、と静かになる。


振り向くと、そこには立樹くんがいた。

いつもの穏やかな顔ではない。


全身を震わせ、口は一文字に閉じられている。


その様子から、彼が私と同じ気持ちでいることがわかった。



ーー許せない。絶対にーー




その姿を見て、私の目からは自然と涙があふれた。


きゅっと胸が苦しくなって、私は膝から崩れ落ちた。