そのノートの表紙には、【だれかの】と書かれていた。

この物語のタイトルを女の子から聞いたことはなかったけど、これが題名なのだろうか。


日比野くんと私が書いたものと同じ言葉で、本当に驚いた。


* * *


そんな夢を見た翌日、事件が起きた。


昼休み中、私がお手洗いから教室に戻るとき、教室の中がなにやら騒がしくなっていることに気が付き、速足で教室に向かう。


嫌な笑い声が聞こえるので、誰かがからかわれているのでは、と思った。



しかし入口から見た光景は、私の想像を超えていた。