さらにその絵は、私が夢の中で描いていた絵にそっくりだった。
もしかしたらこの絵を描いてるのは、夢から出てきた私なんじゃないだろうかと想像したりもした。
けれどその正体は、案外すぐにわかることになる。
やっぱり、夢から出てきた私なんかじゃなかった。
ある日の図工の時間、私はあまり目立たないように注意しながらクラスメイトの絵を見ていた。
そして、ひとりのクラスメイトの絵に目が留まる。
それは、日比野立樹くんの絵だった。
ひと目でわかる。
優しく語りかけてくるような絵。
間違いない。
彼は、真剣な眼差しで、でも口元には穏やかな笑みを浮かべてキャンバスに向かっていた。
力まず自然に筆を握るその姿勢が美しいと思った。
もしかしたらこの絵を描いてるのは、夢から出てきた私なんじゃないだろうかと想像したりもした。
けれどその正体は、案外すぐにわかることになる。
やっぱり、夢から出てきた私なんかじゃなかった。
ある日の図工の時間、私はあまり目立たないように注意しながらクラスメイトの絵を見ていた。
そして、ひとりのクラスメイトの絵に目が留まる。
それは、日比野立樹くんの絵だった。
ひと目でわかる。
優しく語りかけてくるような絵。
間違いない。
彼は、真剣な眼差しで、でも口元には穏やかな笑みを浮かべてキャンバスに向かっていた。
力まず自然に筆を握るその姿勢が美しいと思った。