「むかし、どんくさいうさぎは人のしかけたワナにはまってうごけなくなってしまっていたの」
「かわいそう」
男の子は言いました。
「でもね、その日の夜、それは今日みたいに月のきれいな夜だったんだけどね。
わたしたちくらいの年齢の男の子がそれを見つけて、ワナをはずしてくれたの」
「よかった、助けてくれる人がいて。
優しいね、その子は」
男の子はほっとしました。
「その子はね、そのときこう言ったの。
『きみがとってもきれいな白色だったから、ぼくはきみを見つけることができたよ。
お父さんとお母さんからもらったその毛の色は、きみの宝物だね』って」
へえ、と男の子はうれしくなって思わず声を出しました。
「うさぎはね、それまで自分にはなんにもとりえがないって思っていたけど、その子のおかげで自分のいいところに気付けたの」
「なんか、ぼくみたいだ」
「そうね、あなたみたいね」
女の子はやさしく笑ってそう言いました。
「かわいそう」
男の子は言いました。
「でもね、その日の夜、それは今日みたいに月のきれいな夜だったんだけどね。
わたしたちくらいの年齢の男の子がそれを見つけて、ワナをはずしてくれたの」
「よかった、助けてくれる人がいて。
優しいね、その子は」
男の子はほっとしました。
「その子はね、そのときこう言ったの。
『きみがとってもきれいな白色だったから、ぼくはきみを見つけることができたよ。
お父さんとお母さんからもらったその毛の色は、きみの宝物だね』って」
へえ、と男の子はうれしくなって思わず声を出しました。
「うさぎはね、それまで自分にはなんにもとりえがないって思っていたけど、その子のおかげで自分のいいところに気付けたの」
「なんか、ぼくみたいだ」
「そうね、あなたみたいね」
女の子はやさしく笑ってそう言いました。