昼間の海、夕焼け空。

海の中にはイルカ。

夕焼け空には白鳥。


男の子や女の子も、いる。


僕が今まで描いてきた絵とそっくりだった。
 

右側に絵。

そして左側には、文章があった。


同じだ。


彼女の物語とまったく一緒。
 

僕がこの物語を読んで、絵を描くのは二回目だったんだ。


ノートには、今僕が森下さんに描いているものと、ほとんど同じ構図の絵が描かれていた。


物語の最後の場面はまだ彼女から渡されていないけれど、記憶を取り戻した僕は、もうその内容を知っている。


 僕はもう一度、ノートを読み進めていった。