鈍感な僕でもわかる。


彼らは僕の絵を馬鹿にしているのだ。


夢を見ている僕は、胸を強く痛めた。


今、森下さんのために描いている絵はほかの誰にも見せてはいない。


けれどもしそれが勝手に見られて笑われたとしたらと思うと、

許せない気持ちになる。


しかし、この状況で行動を起こす勇気は、僕にはないと思った。


きっと、その場を気付かれないように去るんだろう。




自分には、その絵を褒めてくれるあの女の子がいる。



それだけで十分だと思った。