僕は、自分の気持ちに何度もブレーキをかけていた。

君に伝えたいと思っていたくせに言わなかったことが、たくさんあったのに。


僕の中から、せき止められていた気持ちや思いが溢れ出してくる。


笑った顔がかわいいといつも思っていたということ。

ふわふわなくせっ毛を愛おしく思っていたこと。

絵を渡すたびに言ってくれるひとことに、一喜一喜していたこと。


君が毎朝電車で僕を探していたことを知って、跳び上がりたいほどに嬉しかったこと。


 君がいたから、両親との大切な思い出を安心して思い返すことができたということ。


 君とゆびきりをしたとき、すごく幸せな気持ちだったということ。


 華乃っていう、君にぴったりな名前をずっと呼んでみたいと思っていたこと。


 そして……








 夢の中で出会った白いワンピースの少女が、君だったらいいのにと思ってたこと。