「まぁ、そこそこ?」


なんて言いながら、本当は初めて。
ボーリングの球がこんなに重いとは知らなかった。


「ほら、つぐからだぞ」

「え!」


朝陽の真似をしようと思っていたのに、スコア表は私の名前が先になっている。
どうしよう……。

仕方なく周りの人たちの投げ方を見ていると、朝陽がしびれを切らして私のところまでやってきた。


「そこの、そこそこできる人。もしかして初めてじゃないだろうな」

「えーっと、そこそこできる人、初めてです」


正直に白状すると、彼は「プッ」と吹き出す。


「持ち方から違う。人差し指は入れないんだ」


どうりで、持ちにくいと思った。
彼に言われて持ち方を直すと、なんとなくしっくりきた。


「あとは、あの真ん中の印をめがけて、真っ直ぐに投げてみろ」

「……うん」