「友季子、もう橘さんとは仲直りしたの?」


結城が電話で話し出したので、私は友季子を振りかえって尋ねた。


「ふぇ? ああ、きょうちゃんとはもう仲直りしたよ」


「きょうちゃん?」


「橘さんのニックネームだよん」


夢心地のまま幸せそうな表情を浮かべる友季子。


「でも、捜査が忙しいらしくって、なかなか会ってくれないんだよね」


「ふうん」


「でも昨日の夜も2時間は電話でしゃべったよ」


「へぇ」


なんて返したらいいのかわからずにあいまいにうなずく。

どうしても友季子が遠く離れていくような気分が抜けない。


「ね、琴葉はさ、結城さんのことどう思ってるの?」


距離を縮めた友季子が小さな声で聞いてくるので、ギョッとした。


「な、なにいってんの」


「ふふ。そっかそっか、わかった」


ニヤリと笑うと、また元の位置に戻る。


「ちょ、なんにも言ってないじゃん」


「わかったわかった」