「早いな」


カッターシャツの腕ボタンを留めながら、こっちを見て言う。

メガネもかけて、もう、いつもの結城だった。

てか、寝ぐせもついてないし。


「ごめん、起こしちゃった?」


「お前の部屋だから気にすんな。いつもどおり生活してくれればいい」


ま、そうなんだけど・・・・・・。

いつもどおり生活したら、ぜったいヒカれるにきまってるし。


「ちょっと早いけど食堂に行く?」


どうする? という感じで、結城を見る。


「行って来い。俺は外でコーヒーでも飲んでる」


「朝ごはん食べないの?」


「もう10年くらい食べてない」


そう言いながらドアから出てゆこうとする。

一緒に夜を過ごしたというのに、あっけなくそっけない。


「あ、あのさ・・・・・・」


「ん?」


顔だけ振り向いた結城。


「私さ、寝言とか言ってなかった?」