眉間にしわをよせて、少し苦しそうな表情。

・・・やっぱり寝袋だと背中が痛いのかな。

朝日がその顔をうっすら照らしていた。

あごのラインが美しく感じ、しばらくぼんやり見ていた私は、ふと我に返り起きあがった。


「なにやってんのよ、私は」


小さな声で自分を戒めると、ゆっくりと床に降り立つ。

音をたてないようにトイレに向かうが、そういう時にかぎって、

ギシッ ギシッ

音をたてるんだから。

なんとかトイレまでやってくると、入る前にまずは制服に着替えておく。

部屋の方を気にしながら急いで着替えると、トイレにこもる。

毎朝、こんな苦労するわけ?

そう思いながらも、それでも悪い気がしない。


「うわ、ひどい寝ぐせ」


ミストとドライヤーを駆使し、ようやく納得できる髪型にした私は、歯をみがいてから部屋に戻った。


「あれ?」


もう結城は起きていた。