「恋人と間違えられる、なんて、あんたたちなにやってたのよ。ヘンなことしてたんじゃないでしょうねぇ」


「いえ、それはですね。捜査の一環で、恋人のフリをしていただいた・・・・・・」


結城が否定するが、よしこちゃんは、

「もしこの子になにかあったら、アタシはご両親になんて言っていいのか・・・・・・」

と、ハンカチを目頭にあてて悲しみに暮れだす。

すっかり寮母さんに戻ってしまっているらしい。

困った顔の結城に、

「大丈夫。よしこちゃん酔っぱらってるから」

とフォローしておく。


「ああ、なるほど。ま、まぁそんなわけでですね。こちらにお伺いしたわけです」


頭をさげる結城。

幾分落ち着いてきた私は結城に尋ねる。


「でも、これからどうするの? 捜査をやめちゃうわけじゃないでしょ?」


「ああ。もちろんやめない。むしろ、この手紙からヒントがいくつかもらえたから、捜査自体は進展するだろう」


「え? この手紙から?」

友季子が興味深げに、手紙を指さした。


「そう」


「どんなヒント? 琴葉、わかった?」


まるでクイズに答えているように、私に聞いてくる。