何度も読み直す。

これって、ここに書かれていることって・・・・・・。


「こわいわ」


よしこちゃんがつぶやくように言った。


「ほんとねぇ」


友季子が場の緊張に似合わない、間の抜けた声で同意する。

よしこちゃんは、両ほほに手を当てて、

「これって、捜査をするなっていう脅しよね」

と、首を左右に振って恐怖を表した。


「ほんとねぇ」

友季子。


「アタシの安全は保障しない、って・・・・・・こわい!」


「ほんとねぇ」


「ちょっと、なに言ってるのよ」


思わず、よしこちゃんと友季子にツッコむ。


「だって、書いてあるじゃない。アタシこわいわ、刑事さん!」


よしこちゃんは身を乗り出してすがるように結城を見る。

同じふり幅で、結城は身をのけぞらした。


「いえ、違いますよ。寮母さんのことじゃありません!」


「“寮母さん”なんて他人行儀じゃないの。よしこって呼んで」