よしこちゃんを見ると、口を大きく動かして、

「自然体、自然体」

と声に出さないでくり返している。


『アホか。刑事だから捜査能力は高い、って言ったんだ。番号は小野さんが教えてくれた』


「友季子が?」


『橘が小野さんと電話してたから、聞いてもらった』


平然と言ってのける。

友季子~!

私は階段上をにらんで、2階にいる友季子に心で叫ぶ。


『琴葉、今ちょっといいか?』


「だから、なんで呼び捨てに」


『外に出てきてくれ。寮の前にいるから』


「え?」


とたんに心拍数があがったのがわかった。

外に、なんで結城がいるの?


『時間がないから急いでくれ』