その4人目が・・・・・・江梨子だと言うの?

まさか。

思わず笑いそうになるが、結城は真剣な顔をしている。


「琴葉、もう一度あの財布を見つけたときの状況を思い出せるか?」


言われた内容がわからずに、ぽかんと結城を見た。


・・・財布?


財布って、私が金曜日の夜に見つけたあの赤い・・・・・・。

あの財布と江梨子がどういう関係が?

目の前がグラッと揺れたような気がした。


めまい。


頭がぼんやりとして、視界がぐらぐらと回っている。


「大丈夫か?」


気づくと隣に結城がいた。

ハッと意識が戻って、結城を見た。


「財布って、ねぇ、財布って」


「琴葉が拾った財布の持ち主、それが松下江梨子だったんだ」


「ウソ!」


大きな声が出て、とっさに自分の口を両手で押さえた。