「私も、最後、結城さんが撃たれなくて良かった」


「俺はそんなバカじゃない」


「だよね」


泣きながら私は笑っていた。



あなたが好き。



好きでたまらない。



この先、別々の道をゆくの?





もう、会えないの?




「琴葉」




「・・・ん?」



「俺は不器用だし、愛想もない」



「知ってる」



「忙しいし、女性の扱いも知らない」



「それも知ってる」




「だけど、琴葉が好きだ」



ゆっくりと振り返ると、これ以上ないくらい顔を赤くしている結城がそこに。


私は言う。



「それは知らなかった」



「知ってくれ」




視線をそらせた結城が愛しくてたまらない。