「ウソ・・・・・・」

私のつぶやきにかぶせるように、

「いやああああ」

悠香の絶叫が響き渡った。

とっさに結城と橘を見やると、銃口から煙が出ているのは・・・・・・橘の方だった。


橘が友季子を撃ったんだ・・・・・・。


青白い顔で橘に抱かれている友季子の下に、赤い水たまりが広がってゆく。

友季子・・・・・・。

強烈な眠気が襲ってくるなか、なんとか目を開けて友季子を見た。


ウソだよ、ウソだよね・・・・・・。


「お、おい・・・・・・友季子?」


乾いた声でそう呼びかける橘は、オロオロと友季子の体を抱きしめた。


「な、ウソだろ。おい、友季子、友季子!」


「橘、離れろ。すぐに救急搬送する」


結城の言葉にも、橘は震える片手で友季子の顔をなでている。


「友季子、友季子ぉ・・・・・・」


「橘」


「・・・お前のせいだ。全部お前の」


つぶやく声に、頭が危険信号を出す。

目がすわっている。